
装甲車両や高価値目標の精密無力化を主目的とする中距離・多目的型の徘徊型兵器(Loitering Munition)システム。十字型の主翼と尾翼を備えた特徴的な空気力学構造を持ち、あらかじめ指定された区域の上空をインテリジェントに旋回(徘徊)しながら、機首に搭載された高解像度のジンバル式電気光学/赤外線(EO/IR)カメラにより、昼夜を問わず目標の捜索・識別・自動追跡をスタンドオフ位置から行う。空気圧式の使い捨てランチャーから低シグネチャーで射出され、完全自律、半自律、または手動による遠隔操作モードで飛行する。本機は「マン・イン・ザ・ループ(常に人間が介在する)」制御を徹底しており、突発的な戦況の変化や民間人の検知が生じた際には、突入最終局面であってもオペレーターが瞬時に攻撃を中止(アボート)させることができる。中止後は再び上空での徘徊・索敵行動に戻るか、別の目標へ再エンゲージする、あるいは安全に武装を解除してパラシュートで回収領域へ帰還させることが可能であり、付随被害を最小限に抑える高度な戦術柔軟性を有する。4×4装甲車(JLTV)、8×8装甲車(LAV-M)、および長距離無人水上舟艇(LRUSV)などにマルチキャニスターランチャー(MCL)を搭載して運用されるほか、地上部隊による単体携行での運用も可能。
| Official Name (正式名称) | UVision Hero-120 |
| Country of Origin (開発国) | イスラエル |
| Manufacturer (製造メーカー) | UVision Air Ltd.(※欧州市場向けはドイツのRheinmetall社、米国市場向けはMistral社がライセンス生産・供給を提携) |
| Designed (設計年) | UVision Hero-120が属する徘徊型兵器「Hero」ファミリー全体の設計・開発は、イスラエルのUVision社が設立された2011年から開始されているが、中型バリアントであるHero-120単体としての具体的な設計完了および初公表の正確な年数はメーカー公式データに詳細な記載がなく不明である。また、本機の公式な実戦配備に向けた調達および部隊での本格的な運用開始年は、アメリカ海兵隊が有機精密火力搭載型(OPF-M)システム要件を満たすアセットとして正式に発注・導入を決定した2021年である。 |
| Primary Operators (主な運用組織) | アメリカ合衆国:アメリカ海兵隊(有機精密火力搭載型[OPF-M]プログラムの制式アセットとしてHero-120を選定。JLTV[統合軽戦術車両]、LAV-M[軽装甲迫撃砲車]、無人水上艇[LRUSV]等の各種プラットフォームへ統合し、前線遠征部隊における中距離精密打撃アセットとして本格運用中)、アメリカ特殊作戦軍(USSOCOM / 2024年6月に特殊部隊向けに最適化された対戦車・装甲目標破壊用カスタムバリアント「Hero-120SF(Special Forces)」を正式発注し、前線特殊作戦部隊において運用管理) イスラエル:イスラエル国防軍(IDF / 開発国として陸軍の地上戦闘部隊および市街地索敵・精密ストライク任務、特殊作戦における即応アセットとして直接実戦投入・隠蔽運用) ハンガリー:ハンガリー軍(2023年7月にRheinmetall社およびUVision社と3桁ミリオンユーロ規模の大型調達契約を正式締結。防衛近代化プログラムに基づき、Hero-120を含む徘徊型兵器ポートフォリオを地上前線部隊へ順次統合・運用訓練を開始) アルゼンチン:アルゼンチン陸軍(2022年12月にイスラエル政府との間で、陸軍の前線歩兵・戦術火力支援アセットとしてHero-120および小型のHero-30を調達する公式契約を締結し配備運用) チェコ:チェコ陸軍(現地パートナー企業RETIA社を介し、地上部隊における精密攻撃能力および遠隔戦術火力の一環としてHero-120システムを公式調達・運用管理) ドイツ:ドイツ連邦陸軍(Rheinmetall社が主導するNATO加盟国向け調達プログラムに基づき、陸軍前線部隊向けの最初の制式徘徊型兵器バッテリー構成アセットとして「FV-014」の識別符号で調達・実証配備を進行) |
| Crew (乗員) | 0名(使い捨て・回収選択型の自爆型徘徊兵器) |
| Dimensions (寸法):全長、全幅(翼幅)、全高 | L (全長):1.34 m (4.4 ft) W (全幅/翼幅):1.41 m (4.6 ft) ※十字型固定翼の翼幅(チップ・トゥ・チップ) H (全高):特有の十字型固定翼およびキャニスター収納構造を有す、センサー収納状態等の公式な本体垂直全高データはメーカー非公表 |
| Empty / Max Takeoff Weight (自重 / 最大離陸重量) | 自重(キャニスターやランチャーを除く機体重量):12.5 kg (27.6 lb) 最大離陸重量(総システム重量/キャニスターに収納された状態):14.5 kg 〜 18 kg (32 lb 〜 39.7 lb) ※ランチャーおよびバッテリー/弾頭のカスタム構成による |
| Powerplant (エンジン):型式、推力 | Electric Motor 推力(出力):低騒音・低熱線シグネチャー仕様の電動モーター1基によるプッシャー式(後方吸気・推進)プロペラ駆動。モーター個別の公式馬力や定格推力数値は非公開 |
| Max Speed (最大速度):マッハ表記、高度別の速度 | ダッシュ/突入最大速度 100 knots (約 185.2 km/h) ※マッハ表記換算で約 0.15 Mach。巡航飛行・徘徊速度 50 knots 〜 100 knots (約 92.6 km/h 〜 185.2 km/h) |
| Combat Range (戦闘行動半径) / Ferry Range (航続距離) | 航続距離(Max Data Link Range / 通信リンク最大運用限界半径):40 km 〜 60 km (24.8 miles 〜 37.2 miles) 以上 ※地上統制システム(GCS)および暗号化視線外(BLOS)データリンク仕様による。最大連続滞空(飛行)時間は 60分 |
| Service Ceiling (実用上昇限度) | 18,000 ft (5,500 m) ※通常のISRおよび索敵時における標準運用巡航高度(Typical mission altitude)は、対地高度(AGL)1,200 ft 〜 3,000 ft(360 m 〜 900 m) |
| Hardpoints (ハードポイント):ミサイルや爆弾の搭載能力 | None 機首・機体中央に4.5 kg(10 lb)の対戦車・対装甲・対人員多目的弾頭(高解像度ジンバル式EO/IRカメラ一体型仕様)を1基内蔵して自爆攻撃を行う |
| Fixed Armament (固定武装):機関砲の口径、弾数 | None |





